商品企画・ブランドマーケターの仕事とは
商品企画・ブランドマーケターは、データと消費者の生の声から本音を掴み、売れ続ける仕組みをつくる仕事です。診断からインサイト言語化、売り方の設計までを図解で解説します。
公開日 / 最終更新日
運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

仕事の解説
商品企画・ブランドマーケターとは
商品企画やブランドマーケターは、「売れ続ける仕組み」をつくる仕事です。派手な広告やキャンペーンを考えることだと思われがちですが、実際にはその手前にある、なぜ売れているのか、なぜ売れなくなったのかを見極める診断作業に、多くの時間を使います。

長年愛されてきた商品の売上が落ちてきたとき、いきなり新しいCMやパッケージの案を考え始めるのは避けるべき進め方とされています。原因が見えてきたら、データだけでなく、実際の消費者の生の声と突き合わせます。数字は「何が起きたか」を教えてくれますが、「なぜ」までは教えてくれません。「おいしいけど、選ぶ理由がない」といった一言の中に、本人も自覚していない本音が隠れていることがあります。
仕事の流れ(1日・1年)
日々の仕事では、売上データの確認、消費者調査の結果の読み込み、店頭の状況把握、社内外の関係者との打ち合わせが中心になります。長年のブランドを担当する場合は、これまでの歴史や、何を試して何がうまくいかなかったかを理解することも欠かせません。
- 売上を要素に分解する:数量・単価・店舗数のどこに変化があるか見る
- データと生の声を突き合わせる:数字が示さない「なぜ」を探る
- 本音を言語化する:本人も自覚していない気持ちを一文にする
- 守るものと変えるものを見極める:既存のファンの気持ちを裏切らない範囲を決める
- 売り方を設計する:価格・陳列・販促の組み合わせを決める
上の図は、売上の減少を診断してから、売り方を設計するまでの流れです。「本当は◯◯したい。でも△△だから、□□してしまう」という一文に本音を凝縮する作業が、企画の土台になります。新しい客層を取り込みたいからといって、商品やパッケージを全面的に変えてしまうと、これまで支えてくれたファンの気持ちを裏切ることになりかねません。
中心:売り方の設計:複数の目標を同時に満たす組み合わせを探る
関係するもの
- 価格:上げれば利益、下げれば数量が動く
- 陳列量:増やせば売上、供給が追いつかないと欠品する
- 販促費:短期の効果と長期のブランド価値のバランス
戦略が決まった後は、上の図にある3つの要素を組み合わせて、実際の売り方を設計します。陳列を増やせば売上は伸びますが、供給が追いつかなければ品切れを起こしますし、値下げは数量を押し上げる一方でブランドの価値と利益を削ります。複数の目標を同時に満たす組み合わせを探る、綱引きのような作業です。

商品を市場に出した後も仕事は続きます。競合が新しい商品を出してきたときに、同じ土俵で殴り合うのか、自分たちにしかない強みで受けて立つのかという判断を迫られる場面もあります。
やりがいと大変さ
長年の思い込みの奥に隠れていた消費者の本音を見つけ、それが企画として形になり、実際に売上として跳ね返ってくる瞬間は、この仕事ならではの手応えです。守るべき価値を守りながら、新しい客層にも届く形を見つけられたときの達成感は大きいと感じている人が多いようです。
一方で、ロングセラーの商品ほど、長年のファンと新しい客層の両方に配慮しなければならず、簡単には「変える」という決断ができません。診断を誤ると、時間と予算をかけた施策がまったく響かないこともあります。
向いている人
データと消費者の生の声を行き来しながら、本人も言葉にしていない本音を掘り当てるのが得意な人に向いています。加えて、同じ商品を「誰の、どんな瞬間のものか」という切り口で新しく見せる発想力、売上の増減を数字で分解して真因を突き止める分析力も欠かせません。
「こう変えれば、こう動くはずだ」という仮説を立てて、検証を積み重ねる粘り強さも大切です。ブランドの再生は、一度の閃きではなく、地道な検証の積み重ねで実現するものだからです。
キャリアパス
- 入社1〜3年目 売上分析や施策の一部を担当
- 中堅 ブランド全体の診断から実行までを担う
- その先(統括) 複数ブランドやマーケティング全体を統括
- その先(企画) 新しい商品をゼロから立ち上げる企画職へ
若手のうちは、既存ブランドの売上分析や、施策の一部を担当するところから始まります。データと生の声の両方から本音を読み取る力は、扱う商品が変わってもそのまま生きる土台になります。
就活対策
この職種で求められる力
- 本音を掘り当てる力データと生の声を往復して行動の理由を探る
- 新しい切り口を見つける発想力同じ商品を誰の、どんな瞬間のものかと見せ直す
- 真因を突き止める分析力売上や課題を要素に分解して原因を特定する
- 検証を重ねる粘り強さこう変えればこう動くはずという仮説を試し続ける
データと消費者の生の声を組み合わせて、本人も気づいていない本音を読み取る力が土台になります。数字だけを見ても、生の声だけを聞いても、本当の課題にはたどり着けません。両方を往復しながら、行動の裏にある理由を掘り下げる姿勢が求められます。
加えて、同じ商品や事実を新しい切り口で見せる発想力、売上や課題を要素に分解して真因を特定する分析力、そして「こう変えればこう動くはず」という仮説を立てて検証を重ねる粘り強さも求められます。
学生のうちに準備できること
日頃から、自分がよく買う商品やブランドについて「なぜこれを選んでいるのか」を、理由を1つに絞らず考えてみる習慣をつけておくと、消費者の本音を読み取る感覚が養われます。SNSの口コミやレビューを読むときも、書かれている言葉の奥にある本音を想像してみると良い練習になります。
サークルやアルバイト先で、何かを企画して人に届けた経験があれば、そこでどんな反応があったか、なぜその反応だったかを振り返っておくと、選考の場で語れる材料になります。特別な資格は必要ありませんが、身の回りの商品の売れ行きやパッケージの変化に関心を持っておくと、入社後の学びが早まります。
長く売れ続けている商品と、すぐに姿を消した商品を見比べて、その違いを自分なりに考えてみるのも良い練習です。答えが1つに決まらない問いに向き合う習慣が、この仕事の土台になります。
選考で見られやすいポイント
面接では、表面的な事実の奥にある本音や理由を掘り下げて考えた経験が見られやすいポイントです。「なんとなく人気がある」で終わらせず、「なぜ人気があるのか」を自分なりに考えた経験を具体的に語れるかが評価されます。
もう1つは、守るべきものと変えるべきものを見極める判断力です。何かを変える提案をするとき、既存の価値をどう扱うかまで考えが及んでいるかが見られています。流行や競合の動きに振り回されず、自分たちの強みに立ち返って考えられるかどうかも評価の分かれ目です。
体験を ES・面接で語るには
職業体験で経験した診断や、消費者の本音を言葉にする作業は、そのまま良い材料になります。ポイントは、結論だけでなく、どんなデータや声からその結論に至ったかという過程を話すことです。「この事実とこの声から、こう考えた」という因果の流れを説明できると、分析の力が伝わります。
守るものと変えるものの間で悩んだ経験があれば、それも良い題材です。何を優先し、何を残そうとしたのか、その判断の理由を自分の言葉で語れると、この仕事に必要なバランス感覚が伝わるエピソードになります。
出典・この記事について
本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。
内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、info@hal-corporation.com までお知らせください。
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