職種研究

法人営業の仕事とは

法人営業は、相手の課題を見つけ出し、解決策を一緒に組み立てる仕事です。商談準備からヒアリング、提案の組み立て、社内での軌道修正までの流れを図解で解説します。

公開日 / 最終更新日

運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

法人営業担当者が取引先の担当者と会議室のテーブルで話し合っている様子

仕事の解説

法人営業とは

法人営業は「売り込むこと」が仕事ではありません。相手が抱えている課題を見つけ出し、それを解決する方法を一緒に組み立てることが本質です。自社の商品やサービスをどれだけ上手に説明できるかよりも、相手の状況をどれだけ正確に理解できるかが、成果を左右します。

営業担当者が商談前に取引先企業についてノートパソコンで調べている様子

初めての商談に臨むとき、自社の商品知識を完璧に覚えることよりも、相手の会社がどんな事業をしていて、最近どんな出来事があったかを調べておくことのほうが重要な準備になります。商談が始まってからも、相手の話の中から「本当に困っていること」を拾い上げる作業が続きます。

仕事の流れ(1日・1年)

1日の中では、既存の取引先への訪問や連絡、新規の見込み客との商談、社内での提案資料づくりや上司への相談が中心になります。

商談を前に進める流れ
  1. 事前に相手を調べる:商品知識よりも相手の状況を先に理解する
  2. 課題を聞き取る:本当に困っていることを拾い上げる
  3. 小さく提案を組み立てる:段階的に効果を見せて広げる
  4. 社内で相談する:上司や関係者にリスクを確認する
  5. 提案・受注へ:軌道修正を重ねながら合意にたどり着く
事前の準備から、聞き取り、提案、社内での確認までの流れを示した図です。

上の図のように、商談は聞くことから始まります。相手がどんな課題を抱えているかを丁寧に聞き取り、その場で無理に売り込もうとしないことが、次につながる信頼関係をつくります。すべての課題を一度に解決しようとする大きな提案は、かえって話が進まなくなることがあります。小さく始めて効果を見せ、そこから広げていくという段階的な進め方が、実際の商談ではよく使われる定石です。

提案に関わる関係者

中心:提案:複数の関係者の利害を踏まえて組み立てる

関係するもの

  • 顧客の担当者:現場の困りごとを最初に話してくれる相手
  • 顧客の別部署:思わぬ制約や事情を持っていることがある
  • 自社の上司:リスクや前例を踏まえて指摘する
  • 社内の関係者:実現できるかどうかを判断する
1つの提案の裏で、社内外の複数の関係者と折り合いをつけていく様子を示した図です。

提案の方向性を決めるときは、自分だけで完結させず、上の図にあるような関係者に相談する場面も多くあります。良かれと思って考えた提案が、相手の事情を考えるとリスクを伴うと指摘され、方針を立て直すこともあります。

商談前の空いている会議室のテーブルに書類とペンが並べられている様子。人物のいない構図

年次が上がるにつれて、決められた顧客を担当する立場から、より大きな案件や、新規の開拓を任される立場へと役割が広がっていきます。

やりがいと大変さ

相手の課題を正確に読み取り、それに合った提案ができたときに信頼を得られる瞬間は、この仕事ならではの手応えです。最初は警戒されていた相手が、次第に本音を話してくれるようになり、商談が前に進んでいく過程には、この仕事を続ける理由になっている人が多いようです。

一方で、思うように話が進まないことのほうが多い仕事でもあります。相手の本当の課題になかなかたどり着けなかったり、練り上げた提案が土壇場で見直しになったりすることも珍しくありません。断られることへの耐性や、うまくいかなかった商談から次に生かす姿勢が求められます。

向いている人

相手の状況を丁寧に読み取り、無理に売り込むのではなく、課題に合わせて提案を組み立てるのが得意な人に向いています。加えて、起こりうる問題を先回りして察知する慎重さ、情報を構造化して筋道立てて考える力も欠かせません。

未知の相手に対して「こうではないか」という仮説を立て、確かめながら前に進める柔軟さも大切です。すべてが計画通りに進むことは少なく、その都度、相手に合わせて考え方を調整する姿勢が求められます。

キャリアパス

法人営業のキャリアの段階
  1. 入社1〜3年目 既存の取引先を担当しながら型を学ぶ
  2. 中堅 大きな案件や新規開拓を任される
  3. その先(専門) 特定の業界や商材の専門性を深める
  4. その先(転身) 企画やカスタマーサクセスへ:顧客との関係構築の経験を生かす
既存の取引先を担当する立場から、大きな案件や新規開拓を任される立場へ広がる流れです。

若手のうちは、既存の取引先を担当しながら、商談の進め方や提案の組み立て方を学ぶところから始まります。相手の課題を見つけ、解決策を組み立てる力は、どの道に進んでも土台になり続けます。

就活対策

この職種で求められる力

法人営業で求められる力
  • 傾聴力何気ない一言から本当に困っていることを拾い上げる
  • 先回りする慎重さ起こりうる問題をあらかじめ察知しておく
  • 構造化する力聞き取った情報を筋道立てて整理する
  • 柔軟に調整する力計画通りに進まない状況にしなやかに対応する
傾聴・慎重さ・柔軟さという3つの軸から、商談を支える力を示した図です。

相手の話の中から、何気ない一言も含めて重要な情報を拾い上げ、本当に困っていることを見極める姿勢が土台になります。加えて、起こりうる問題を先回りして考える慎重さ、聞き取った情報を筋道立てて整理する論理的思考力も欠かせません。

もう1つ大切なのが、計画通りに進まない状況にしなやかに対応する力です。準備していた提案が土壇場で見直しになることも多く、その都度、相手や状況に合わせて考え方を調整できるかどうかが問われます。

学生のうちに準備できること

日頃の会話の中で、相手の話をただ聞くだけでなく「この人が本当に言いたいことは何か」を考える習慣をつけておくと、ヒアリングの感覚が身につきます。アルバイトやサークル活動で、誰かの相談に乗ったり、困りごとを解決する手伝いをしたりした経験があれば、それは良い材料になります。

特別な資格は必要ありませんが、ニュースや企業の動向に日頃から関心を持っておくと、初対面の相手と話すときの引き出しが増えます。プレゼンテーションや交渉の経験があれば、その時にどう相手に合わせて話し方を変えたかを振り返っておくと、選考の場で語りやすくなります。

初対面の人と話すことに苦手意識がある場合も、心配しすぎる必要はありません。饒舌に話せることよりも、相手の話をきちんと聞き、理解しようとする姿勢のほうが評価される仕事です。

選考で見られやすいポイント

面接では、相手の立場に立って物事を考えた経験が見られやすいポイントです。自分の意見を通すことよりも、相手が何を求めているかを考えて行動した経験を具体的に語れるかどうかが評価されます。

もう1つは、うまくいかなかった経験にどう向き合ったかです。断られたり、計画を見直したりした経験をただの失敗で終わらせず、そこから何を学び、次にどう生かしたかを話せると、この仕事に必要な粘り強さが伝わります。

体験を ES・面接で語るには

職業体験で経験した顧客対応や提案づくりは、そのまま良い材料になります。ポイントは、結論だけでなく、相手のどんな発言から課題を読み取り、どんな理由でその提案を選んだかという過程を話すことです。「この情報からこう考えて、こう提案した」という流れを説明できると、思考のプロセスが伝わります。

提案を立て直した経験があれば、それも良い題材です。最初の考えのどこにリスクがあったのか、どう修正したのかを具体的に話せると、相手に合わせて柔軟に考えを調整する力が伝わるエピソードになります。

出典・この記事について

本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。

内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、info@hal-corporation.com までお知らせください。

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