職種研究

人材コンサルタント・採用ブランディングの仕事とは

企業と学生・求職者の間に立ち、採用の課題を言葉と仕組みで解決する仕事です。社員インタビューからコンセプトづくりまでの流れを紹介します。

公開日 / 最終更新日

運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

採用ブランディングの担当者が社員にインタビューをしている様子

仕事の解説

人材コンサルタント・採用ブランディングとは

人材コンサルタントは、企業の採用や人材に関する課題を整理し、解決策を提案する仕事です。求人媒体の活用方法を助言することもあれば、採用の仕組みそのものを見直す提案をすることもあります。採用ブランディングは、その中でも「その会社らしさを、応募者に届く言葉や見せ方に変える」ことに特化した専門領域です。

インタビューで集めた言葉が付箋になって壁に貼られている様子

どちらの仕事にも共通しているのは、企業の中に眠っている事実を掘り起こし、それを外に伝わる形に翻訳するという点です。かっこいい言葉を思いつくことが仕事なのではなく、社員の何気ない一言や、その会社にしかない強みを見つけ出し、届けるべき相手に届く形に磨き上げることが仕事の核になります。素材を集める段階では、経営層だけでなく現場の社員や、実際に選考を受ける学生・求職者側の声にも耳を傾けます。立場によって見えている景色がまったく違うことが多く、複数の方向から言葉を集めて初めて、その企業らしさが立体的に見えてきます。

仕事の流れ

採用コンセプトができるまでの流れ
  1. 現状把握:課題とデータを整理する
  2. 社員インタビュー:強みと本音を掘り起こす
  3. コンセプト言語化:その会社らしさに翻訳する
  4. クリエイティブ制作:コピーやサイトに落とし込む
  5. 実施・検証:応募状況を見て改善する
社員の声を掘り起こし、伝わる言葉と見せ方に磨き上げていく流れです。

日々の仕事は、クライアント企業への訪問や打ち合わせ、社員インタビューの実施、資料や提案書の作成が中心になります。1日のうちに複数の企業を掛け持ちすることも多く、業種や課題の違うクライアントの間を行き来しながら進めます。上の図の流れのとおり、コンセプトが固まったあとも、それを実際に経営層に納得してもらうという関門が残っています。数字や理屈だけでは動かない場面もあり、その会社ならではの事実を丁寧に示しながら、時間をかけて合意を得ていくことも仕事のうちです。1つの企業と1年以上にわたって伴走することも珍しくありません。

やりがいと大変さ

やりがいと大変さ
やりがい大変さ
手応え言葉で応募者の受け止め方が変わる成果がすぐ数字に出るとは限らない
向き合うもの自社の魅力に企業自身が気づく瞬間感覚的な議論を根拠づけて説明する粘り強さ
日々の作業社員の本音を引き出す対話コピーを何本も書いては練り直す作業
言葉の手応えと、成果が数字に出るまでの時間差が同居する仕事です。

自分が言葉にしたコンセプトによって、応募する学生や求職者の受け止め方が変わり、実際に入社を決める人が現れることは、この仕事ならではの手応えです。企業の側からも「自社の魅力に自分たちで気づけた」という反応が返ってくることがあります。経営層の中には、採用にお金をかけることに慎重な人もいます。流行りの手法を勧めるのではなく、その会社にすでにある事実から始めて納得してもらう、粘り強い対話が必要になる場面もあります。

向いている人

人の話をじっくり聞くのが好きな人に向いています。社員インタビューでは、表面的な回答の奥にある本音や誇りを引き出す必要があり、聞く力がそのまま成果に直結します。言葉に強いこだわりを持てる人、細かい表現の違いにこだわれる人も、この仕事で力を発揮しやすいです。同時に、感覚だけに頼らず、応募数や承諾率といった数字から逃げずに向き合える人が信頼されます。感性と論理の両方を行き来できる人が、この職種では重宝されます。

キャリアパス

人材コンサルタントのキャリアの段階
  1. 若手 プランナー:インタビューや資料作成を担当する
  2. 中堅 クリエイティブディレクター:コンセプトと表現の方向性を決める
  3. その先 ブランドコンサルタント:採用に限らず企業ブランド全体を扱う
  4. 転身 事業会社の採用広報へ:支援する側から支援される側に回る人も
実務から表現、そして企業のブランド全体へと視野が広がっていきます。

最初はプランナーとして、インタビューや資料作成などの実務を担当することが多いです。経験を積むと、コンセプト全体の設計や表現の方向性を決めるクリエイティブディレクターのような立場に進んでいきます。さらに専門性を深めると、採用に限らず企業のブランド全体を扱うブランドコンサルタントとしての道が開けます。また、事業会社の採用広報や人事企画に転身し、支援する側から支援される側に回るキャリアを選ぶ人も少なくありません。人と言葉と数字を同時に扱える人材は、業界を問わず求められています。

就活対策

この職種で求められる力

人材コンサルタントに求められる力
  • 傾聴力相手が意識していない魅力に気づく
  • 言語化力本音を分かりやすい言葉に翻訳する
  • データを読む力エントリー数や承諾率から課題を構造化する
人の話を聞く力と、それを言葉に翻訳する力の両方が問われます。

人の話から本音や強みを引き出す力と、それを分かりやすい言葉に翻訳する力の両方が必要です。取材やヒアリングでは、相手が意識していない魅力に気づけるかどうかが成果を左右します。同時に、感覚的になりがちな議論を数字で裏づける力も欠かせません。競合する他社の情報発信と見比べて、自社ならではの違いを見つけ出す視点も役立ちます。似たような言葉に埋もれないためには、他社が言っていないことは何かを常に意識しておく必要があります。

学生のうちに準備できること

普段から、企業やお店の広告・採用サイトを見て、「何を、誰に、どう伝えているか」を意識してみると、この仕事の視点が身についてきます。同じ業界の複数の会社を比べてみると、言葉の使い方の違いにも気づきやすくなります。文章を書く機会を増やしておくことも役立ちます。サークルやアルバイト先の紹介文、SNSの発信など、短い文章で人に何かを伝える経験を積んでおくと、コピーライティングの感覚が養われます。

友人や家族に、自分が知っている団体や活動の魅力をインタビュー形式で聞き出し、それを短い文章にまとめてみる練習も効果的です。相手が自分では気づいていない魅力を引き出せたときの感覚は、この仕事の面白さの一端に触れる体験になります。

選考で見られやすいポイント

面接では、人の話を丁寧に聞けるかどうかがよく見られます。相手の発言をそのまま受け止めるだけでなく、その奥にある背景や感情まで想像しようとする姿勢は、面接での受け答えからも伝わります。言葉へのこだわりも見られやすいポイントで、自分の経験をありきたりな表現で終わらせず、自分なりの言葉で具体的に語れるかどうかが適性を示すサインになります。数字に対する苦手意識がないことも、意外と重視されるポイントです。

体験を ES・面接で語るには

職業体験で社員の声から採用コンセプトを考えたり、コピーを書いたりした経験があれば、どの言葉を選び、なぜそれを選んだのかという判断の理由を振り返ってみてください。「印象的だった」で終わらせず、その言葉が誰にどう届くと考えたかまで説明できると、仕事の本質を理解していると伝わります。

データを読み解いて課題を見つける場面を経験していたら、どの数字に注目し、そこからどんな仮説を立てたかを話せると効果的です。もし提案が相手にすぐ受け入れられなかった経験があれば、そこから諦めずにどう伝え方を変えたかを振り返ってみてください。感覚的な反発を、事実に基づいた説明で少しずつ解きほぐしていった経験は、この仕事に欠かせない粘り強さを示すエピソードになります。

出典・この記事について

本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。

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"らしさ"を言葉に — 採用ブランディングプロジェクト

採用ブランディングのプランナーになって、無名だけど実力ある部品メーカーの採用を立て直す。社員の「生きた言葉」の発掘、コンセプト開発、コピーのプロ添削、予算配分シミュレーションまで、企業の"らしさ"を言葉にする仕事を追体験します。社員インタビューを読み解くケース資料室つき。