業界研究

機械業界とは

工場や建設現場を支える機械業界。ダイキン工業や三菱重工業など上位企業のランキングとあわせて、稼ぎ方といま起きている変化を解説します。

公開日 / 最終更新日

運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

機械メーカーの技術者たちが工場の設備を前に打ち合わせをしている様子

業界の解説

機械業界とは

自動車や家電のように消費者が直接目にする製品は少ないものの、その自動車や家電を作る工場の設備そのものが、機械業界の会社が手がける製品です。機械業界は、工場で使う設備や、建設現場で使う重機、空調機器や軸受のような機械部品まで、企業や社会の活動を支える機械を作るメーカーの集まりです。

機械業界の会社は、完成した機械をまとめて大量生産することもあれば、顧客ごとに仕様の違う機械を一台ずつ作ることもあります。同じ機械業界のなかでも、作り方はかなり違います。エアコンのように見慣れた製品を作る会社もあれば、工場の中でしか見ないような専用機械を作る会社もあり、知名度と業界内での存在感は必ずしも一致しません。

どうやって稼いでいるか

機械メーカーを支える顧客との関係

中心:機械メーカー

関係するもの

  • 建設会社・レンタル会社
  • 部品を作る工場
  • 自動車・電機の工場
  • 保守・サービス拠点
  • 海外の代理店
建設機械、工作機械、産業用ロボットと、扱う機械によって主な顧客はまったく違います。

機械業界の多くの会社は、企業や自治体を顧客とするBtoBのビジネスです。建設機械なら建設会社やレンタル会社、工作機械なら部品を作る工場、産業用ロボットなら自動車や電機の工場が主な顧客になります。機械を売って終わりではなく、その後の保守や部品交換、修理からも継続的に収益を得ているのがこの業界の特徴です。機械は導入されると長く使われ続けるため、購入後のサービスが会社にとって大切な収入源になります。

量産型と受注生産型の違い
量産型受注生産型
作り方同じ機械をまとめて生産する顧客ごとに仕様を決めて作る
値段の決まり方カタログ価格に近い案件ごとの個別交渉
業績の波景気に応じて需要が増減する顧客企業の設備投資に左右される
同じ機械業界でも、まとめて作る会社と、案件ごとに仕様を決めて作る会社があります。

受注生産に近い形で機械を作る会社では、案件ごとに仕様を決め、価格を交渉します。景気が良いときには工場の新設や増設にともなって注文が増え、景気が悪くなると設備投資が控えられて注文が減る、という形で、顧客企業の投資の動きに業績が左右されます。

主なプレーヤーと業界の構造

機械業界には、空調機器を手がける会社、建設機械を手がける会社、工作機械を手がける会社、産業用ロボットや軸受のような機械部品を手がける会社まで、いくつもの系統があります。大手のなかには、発電設備や船舶、航空機まで手がける総合重機メーカーもあれば、建設機械や農業機械に特化した会社もあります。

規模は大手より小さくても、特定の部品や工程で世界的なシェアを持つ会社も少なくありません。機械の心臓部にあたる部品を専門に作り、世界中の完成品メーカーに供給している会社もあります。知名度だけで会社を選ぶと、こうした「その道の専門会社」を見落としてしまうことがあります。

いま起きている変化

サービスエンジニアが設置された機械を点検している様子

人手不足を背景に、工場や建設現場の自動化が急速に進んでいます。これまで人が担っていた作業を機械やロボットに置き換える動きは、機械業界にとって新しい需要を生む一方で、人に代わって現場を任せられる機械を作る責任の重さにもつながっています。センサーや通信の技術を組み込んで、機械の稼働状況を遠隔で把握したり、故障の兆候を事前につかんだりする取り組みも広がっていて、機械そのものの性能だけでなく、機械が生み出すデータを使ったサービスが新しい収益の柱になりつつあります。

海外での需要開拓も大きなテーマです。新興国のインフラ整備や工場建設にともなって建設機械や産業機械の需要は世界的に伸びており、海外での生産や販売の体制づくりが各社の課題になっています。国内の需要が読みにくくなるなか、海外の景気動向をどう読むかも、経営の判断材料として重みを増しています。

この業界の主な職種

この業界の主な職種
機械を設計する仕事から、現場に届けて支え続ける仕事まで、役割は幅広く分かれています。

どの職種も、機械という「モノ」を作るだけでなく、それを使う現場や社会の変化まで見据える視点が求められます。

売上ランキング

売上高ランキング

指標: 売上高(売上収益) ・ 基準: 東証33業種「機械」に属する上場企業の、直近通期(2026年3月期。一部は2025年12月期)の連結売上高上位10社。 ・ 調査日 2026-09-28

順位社名金額決算期注記・出典
1ダイキン工業
5兆150億円
2026年3月期出典
2三菱重工業
4兆9,741億円
2026年3月期出典
3小松製作所
4兆1,327億円
2026年3月期米国基準 / 出典
4クボタ
3兆188億円
2025年12月期12月決算 / 出典
5ジェイテクト
1兆9,249億円
2026年3月期出典
6IHI
1兆6,434億円
2026年3月期出典
7日立建機
1兆4,054億円
2026年3月期出典
8住友重機械工業
1兆668億円
2025年12月期12月決算 / 出典
9荏原製作所
9,582億円
2025年12月期12月決算 / 出典
10日本精工
9,116億円
2026年3月期継続事業の売上高 / 出典

クボタ・住友重機械工業・荏原製作所は12月決算のため2025年12月期、そのほかの7社は2026年3月期の数値です。決算期や会計基準(日本基準・米国基準・IFRS)が会社によって異なるため、単純な比較には注意してください。

各社の決算資料を基に編集部が作成。決算期が異なる企業を含みます。

就活対策

この業界で求められる力

求められる力
  • 数字で捉える力ボトルネックになっている工程や、投資の効果を数字で示す力です。
  • 現場の言葉に翻訳する力技術の話を、機械を使う現場の人に伝わる言葉に置き換える力です。
  • 投資判断を考える視点何に投資すれば効果が見合うかを、天秤にかけて考える視点です。
機械や工程を数字で捉える力と、現場の言葉に置き換えて伝える力の両方が問われます。

機械業界の仕事は、目の前の機械や工程を数字を使って冷静に捉える力が土台になります。生産技術であれば、ボトルネックになっている工程や、投資に見合う効果を数字で示す場面が多くあります。同時に、機械を使う現場の人たちと一緒に改善を進める場面も多いので、技術の話を現場の言葉に置き換えて伝える力も欠かせません。

選考で見られやすいポイント

機械業界の選考では、機械そのものへの興味に加えて、その機械がどんな現場でどう使われているかを理解しているかを見られます。建設機械や工作機械、産業用ロボットなど、会社によって主力製品が違うので、その会社の製品が実際にどんな場面で使われているかを調べておくと、話に具体性が出ます。技術系の職種では、大学での研究や、ものづくりのサークル活動などを通じて、うまくいかない原因を突き止め、改善してきた経験が評価されやすいポイントです。文系の職種でも、機械の専門知識を現場の言葉に翻訳して伝える技術営業の役割を理解しているかが問われます。

業界研究で押さえたい問い

  • その会社の主力製品は、どんな業界のどんな現場で使われているか

  • 機械を売った後の保守やサービスから、どれくらいの収益を得ているか

  • 海外売上の比率と、力を入れている地域はどこか

  • 自動化やデータ活用に、どう取り組んでいるか

体験を ES・面接で語るには

工程の負荷やボトルネックを数字で捉えるワークを体験したなら、どの数字を根拠にどの工程を優先したかを具体的に話せると、考え方の筋道が伝わります。

投資の判断に迷った場面があれば、何を天秤にかけて最終的にどう判断したかまで話すと、単なる正解不正解ではない、判断のプロセスを語れるエピソードになります。機械業界の仕事は現場の人と一緒に進める場面が多いので、数字だけでなく現場の負担にも触れられると、より伝わりやすくなります。

現場の人に説明して納得してもらう経験をしたなら、それも語れる材料です。専門的な内容を、相手に合わせてどう言い換えたかまで話せると、技術営業やサービスエンジニアの仕事に近い感覚が伝わります。

出典・この記事について

  1. ダイキン工業 2026年3月期決算短信
  2. 三菱重工業 2026年3月期決算短信
  3. 小松製作所 2026年3月期決算短信
  4. クボタ 2025年12月期決算短信
  5. ジェイテクト 2026年3月期決算短信
  6. IHI 2026年3月期決算短信
  7. 日立建機 2026年3月期決算短信
  8. 住友重機械工業 2025年12月期決算短信
  9. 荏原製作所 2025年12月期決算短信
  10. 日本精工 2026年3月期決算短信

本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。

内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、info@hal-corporation.com までお知らせください。

この業界のワークを体験する

受注1台から、毎月40台へ — 機械メーカーの生産技術

1台4,000万円のプレス機を受注生産する産業機械メーカーの生産技術部で、月産25台の工場を40台に組み直します。図面から工程を読み、段取り替えパズルで機械の止まる時間を削り、設備投資を回収年数で判断し、寸法のばらつきと向き合う。選択に連動する工場ダッシュボードで、能力・投資・品質・人の負担を同時に追いかけます。