業界研究

コンサルティング業界とは? 仕事内容とビジネスモデル

コンサルティングは、企業の課題を外部の立場から整理し、解決の道筋を示す仕事です。稼ぎ方の仕組み、外資系・総合系・国内系という3つの系統、いま起きている変化、主な職種を解説します。

公開日 / 最終更新日

運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

コンサルタントが白いボードを使ってクライアントに提案している様子

業界の解説

コンサルティング業界とは

コンサルティングは、企業が抱える課題を外部の立場から整理し、解決の道筋を示して報酬を得る仕事です。会社全体の成長戦略を描く仕事もあれば、業務システムの刷新を進める仕事、広告予算の使い方を最適化する仕事もあります。共通しているのは、自社ではなくクライアント企業の課題に向き合い、期限までに答えを出すという働き方です。

コンサルタントたちがホワイトボードを囲んで議論している様子

社内の人間ではなく外部の人間だからこそ、しがらみのない立場で意見を言えるという面もあります。長年その会社で働いてきた人には見えにくくなっている前提を疑い、他社での経験や他業界の知見を持ち込んで、新しい視点を提供するのがコンサルタントの役割です。ひとくちにコンサルティングといっても成り立ちも得意分野もさまざまで、学生が業界研究をするときは、まず自分が興味を持つ課題の種類から会社を絞り込むのが近道です。

どうやって稼いでいるか(ビジネスモデル)

コンサルティングファームの収益は、基本的にプロジェクト単位の報酬です。クライアント企業から案件を受注し、数週間から数ヶ月かけてチームで取り組み、成果物と提言を納めて対価を得ます。人がいちばんの資産になる仕事なので、コンサルタント1人あたりの稼働時間と単価が、そのまま収益に直結します。

プロジェクト単位の仕事の回り方
  1. 案件を受注
  2. チームで調査・分析
  3. 仮説を検証
  4. 提言をまとめる
  5. 実行に伴走

最後の項目から最初の項目に戻り、繰り返します。

1つの案件が終わるたびに、また新しいテーマで一から始まる働き方です。

案件が終わるたびに、次は違う業界、違うテーマに取り組むことも珍しくありません。成果を出したコンサルタントが評価され、出せなければ厳しく評価される「アップ・オア・アウト」に近い文化を持つファームも多く、実力主義の色合いが濃い業界と言われています。ただし裏を返せば、案件が取れなければ会社の収益はすぐに細るということでもあり、案件の受注そのものが、シニアなコンサルタントの重要な仕事になっています。

主なプレーヤーと業界の構造

コンサルティングファームは、大きく3つの系統に分けられます。

ファームの3つの系統
戦略ファーム総合系ファームシンクタンク系
得意領域経営戦略そのもの戦略から業務・システムまで調査研究とコンサル
母体外資系が中心会計事務所やITベンダー金融機関など国内系
案件の性格少人数で短期集中幅広い規模の案件調査に近い案件も多い
同じコンサルティングでも、系統によって得意領域や案件の性格が変わります。

大手の多くは非上場で、売上や利益を外部に公表していません。そのため、他の業界のように売上ランキングで規模を比較することが難しく、どの分野に強みを持つか、どんな案件を手がけているかで会社を見極める必要があります。同じ総合系ファームでも、母体が会計事務所なのかITベンダーなのかによって、得意な案件の性格はかなり変わります。

いま起きている変化

生成AIの登場は、コンサルティングの仕事のやり方そのものに影響を与えています。

ノートパソコンや資料、コーヒーカップが置かれた作業机の様子

情報収集や資料の下書きにかかる時間が短くなる一方で、AIには出せない「クライアントの現場に入り込んで本音を引き出す」「複数の利害を調整して合意形成する」といった役割の重みが増しています。戦略を描くだけでなく、実行まで併走する案件が増えているのも近年の傾向です。提言をまとめて終わりにするのではなく、現場に入って施策を回し、数字で結果を出すところまで求められる場面が広がっています。特定の業界やテーマに特化した専門性を打ち出すファームも増えていて、幅広さと専門性のどちらで勝負するかが、各社の個性になっています。

この業界の主な職種

コンサルタントの仕事は、扱うテーマによって色合いが変わります。

コンサルタントの主な職種
扱うテーマによって、コンサルタントの仕事の色合いが変わります。

いずれの職種にも共通するのは、クライアントの課題を整理し、データや事実にもとづいて仮説を立て、検証しながら答えに近づけていく進め方です。役職が上がるにつれて、自分で手を動かす時間よりも、チームを率いる仕事や、新しい案件を受注する仕事の比重が増えていきます。分析力を武器にする若手の時期と、人を動かし信頼を得る力が問われるシニアの時期とで、求められるものが大きく変わっていくのも、この仕事の特徴です。

売上ランキング

主要企業

指標: 主要企業 ・ 基準: コンサルティング業界の主要企業。外資系戦略ファーム・総合系ファーム・国内系シンクタンク系の3系統から、公式サイト(またはそのアーカイブ)で社名表記を確認できた企業を、掲載上限15社まで掲載。大手の多くが非上場で売上を公表していないため、順位・金額は付けない。 ・ 調査日 2026-09-28

  • マッキンゼー・アンド・カンパニー

    外資系戦略ファーム / 出典

  • ボストン コンサルティング グループ

    外資系戦略ファーム / 出典

  • ベイン・アンド・カンパニー

    外資系戦略ファーム / 出典

  • ローランド・ベルガー

    外資系戦略ファーム / 出典

  • A.T.カーニー

    外資系戦略ファーム / 出典

  • アクセンチュア

    総合系ファーム / 出典

  • デロイト トーマツ コンサルティング

    総合系ファーム(会計事務所系) / 出典

  • EYストラテジー・アンド・コンサルティング

    総合系ファーム(会計事務所系) / 出典

  • KPMGコンサルティング

    総合系ファーム(会計事務所系) / 出典

  • PwCコンサルティング

    総合系ファーム(会計事務所系) / 出典

  • アビームコンサルティング

    総合系ファーム / 出典

  • 野村総合研究所

    国内系・シンクタンク系 / 出典

  • 三菱総合研究所

    国内系・シンクタンク系 / 出典

  • 日本総合研究所

    国内系・シンクタンク系 / 出典

  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

    国内系・シンクタンク系 / 出典

外資系戦略ファーム(経営戦略に特化)、総合系ファーム(戦略から業務改革・システム導入まで幅広く支援。会計事務所を母体に持つ会社が多い)、国内系・シンクタンク系(金融機関などを母体に、調査研究とコンサルティングを併せ持つ会社が多い)の3系統に分けて掲載しています。マッキンゼー・アンド・カンパニーとPwCコンサルティングは、公式サイトへの直接アクセスができなかったため、Internet Archiveに保存された公式サイトのキャプチャで社名表記を確認しました。掲載社数の上限(15社)に収めるため、シンクタンク系のうち大和総研は今回掲載を見送っています。掲載の有無・順序は経営規模の優劣を意味しません。

各社の決算資料を基に編集部が作成。決算期が異なる企業を含みます。

就活対策

この業界で求められる力

コンサルティングの仕事では、初めて扱うテーマでも短期間で本質をつかむ地頭の強さが求められます。「なぜそうなるのか」を突き詰めて考え続ける姿勢や、事実とデータにもとづいて仮説を組み立てる力は、どの分野のコンサルタントにも共通する土台です。

コンサルティングの選考で意識したい力
  • 地頭の強さ初めて扱うテーマでも短期間で本質をつかむ。
  • 事実に立ち返る力厳しい指摘を受けても感情でなく事実で考え直す。
  • 短期間で築く信頼初対面の相手ともすぐに協働関係をつくる。
  • 粘り強さ納期に追われながら地道な作業を積み重ねる。
初めてのテーマでも本質をつかむ地頭と、事実に立ち返る冷静さが問われます。

クライアントや社内の上司から厳しい指摘を受けても、感情的にならず事実に立ち返って考え直せる力も欠かせません。プロジェクトのたびにチームのメンバーやクライアントの担当者が変わるので、初対面の相手とも短期間で信頼関係を築くコミュニケーション力も重要になります。華やかに見える仕事の裏側には、地道な作業を積み重ねる時間が多くあります。

選考で見られやすいポイント

選考では、地頭の良さを測るケース面接やフェルミ推定が使われることが多いのが、この業界の特徴です。答えそのものの正しさよりも、どんな前提を置き、どういう筋道で考えたかという思考のプロセスが見られています。

あわせて、これまでの経験の中で困難な課題にどう向き合い、どんな役割を果たしたかを、具体的なエピソードとして語れるかどうかも重視されます。なぜコンサルティングという働き方に関心を持ったのか、数ある会社の中でその会社を選ぶ理由は何かを、自分の言葉で説明できるように準備しておくと安心です。

ケース面接は、事前の練習量が結果に表れやすい選考でもあります。フレームワークを丸暗記するのではなく、初めて見る問題に対して自分なりの切り口を組み立てる練習を重ねておくと、本番でも落ち着いて対応しやすくなります。友人同士で出題し合ったり、志望する会社の過去の出題傾向を調べたりして、慣れておくことをおすすめします。

業界研究で押さえたい問い

  • 戦略・IT・業務改善など、自分が興味を持つ課題の種類はどれか

  • 提言だけで終わる案件が多いか、実行まで併走する案件が多いか

  • 特定の業界に強いか、幅広い業界を横断する会社か

  • 働き方や評価の仕組みが、自分の志向に合っているか

  • 若手のうちにどこまで裁量を持って仕事を任されるか

体験を ES・面接で語るには

職業体験で経験した「課題を整理し、仮説を立てて検証する」という一連の流れは、そのままコンサルティングの仕事の進め方と重なります。ES や面接では、最終的な結論よりも、どんな情報から出発し、どんな前提を置いて仮説を立てたかという過程を丁寧に振り返って話すことが効果的です。

途中で仮説が外れた経験があれば、それも隠さずに話す価値があります。何を根拠に仮説を立て、どこで間違いに気づき、次にどう修正したか。この修正の過程を具体的に語れると、単に正解にたどり着いた話よりも、考える力そのものが伝わりやすくなります。

体験の中でチームやクライアント役の相手と意見が割れた場面があれば、それも良い材料です。どちらが正しいかではなく、お互いの前提の違いをどう言語化し、どう折り合いをつけたかを話せると、単独では見えない協働の力が伝わります。限られた時間の中で優先順位をどう決めたかまで話せると、実務に近い視点が伝わりやすくなります。

出典・この記事について

  1. マッキンゼー・アンド・カンパニー(Wayback Machine)
  2. ボストン コンサルティング グループ
  3. ベイン・アンド・カンパニー
  4. ローランド・ベルガー
  5. A.T.カーニー
  6. アクセンチュア
  7. デロイト トーマツ グループ
  8. EY Japan コンサルティング
  9. KPMGコンサルティング
  10. PwCコンサルティング(Wayback Machine)
  11. アビームコンサルティング
  12. 野村総合研究所
  13. 三菱総合研究所
  14. 日本総合研究所
  15. 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。

内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、info@hal-corporation.com までお知らせください。

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