業界研究

建設業界(ゼネコン)とは? ビジネスモデル・仕事内容・売上高ランキング

建設業界(ゼネコン)は、設計から施工まで一括して請け負い、まちの形をつくる業界です。稼ぎ方の仕組み、主なプレーヤー、いま起きている変化、主な職種を、ゼネコンの売上高ランキングとあわせて解説します。

公開日 / 最終更新日

運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

建設現場でゼネコンの担当者2人が図面を確認している様子

業界の解説

建設業界(ゼネコン)とは

大きなビルや橋、トンネル、マンションは、ゼネコン(総合建設業)と呼ばれる会社が、設計から施工、完成後の引き渡しまでを一括して請け負ってつくっています。ゼネコンは自社の社員だけで工事を完結させるのではなく、専門工事を担う数多くの協力会社をまとめ上げる、現場の指揮者のような役割を担っています。

作業員2人が現場の机で図面を確認している様子

この記事では、住宅を専門に手がけるハウスメーカーではなく、オフィスビルやインフラなど大規模な工事を手がける総合建設業(ゼネコン)を中心に取り上げます。ゼネコンが手がける工事は、オフィスビルやマンションだけでなく、橋やトンネル、ダムといった土木工事も大きな柱です。建物をつくる建築部門と、社会インフラをつくる土木部門は、同じ会社の中でも扱う技術も現場の様子もまったく異なります。

どうやって稼いでいるか(ビジネスモデル)

ゼネコンの基本的な収益は、発注者から工事を請け負って得る請負代金です。

工事が完成するまでの流れ
  1. 工事を受注
  2. 工程を組む
  3. 協力会社に発注
  4. 品質・コスト・工期を管理
  5. 完成・引き渡し
受注してから引き渡すまで、品質・コスト・工期を管理し続ける流れです。

資材価格や人件費の変動、天候による工程の遅れなど、工事の途中で発生するさまざまな不確実性をコントロールしながら、決められた予算と工期の中で工事を完成させる力が、収益に直結します。近年は、工事を請け負うだけでなく、自らも不動産開発に出資したり、再開発事業の企画段階から関わったりする会社も増えています。海外のインフラ整備や工場建設にも、日本のゼネコンの技術力は生かされています。

主なプレーヤーと業界の構造

1つの工事には、発注者から元請け、協力会社まで、役割の違う会社が関わります。

工事に関わる会社の階層
  1. 発注者:建物の要望、予算と工期
  2. ゼネコン(元請け):設計調整、工程管理、品質・安全管理
  3. 協力会社(専門工事業者):鉄筋、電気、内装
発注者から協力会社まで、役割の違う会社が1つの工事を支えています。

業界の中心にいるのが、いわゆるスーパーゼネコンと呼ばれる会社です。大規模な再開発やインフラ整備、海外プロジェクトまで、幅広い工事に対応できる技術力と資金力を持っています。このほか、マンションの建設・管理を主力とする会社のように、特定の分野に強みを持つ準大手・中堅のゼネコンも数多くあります。

いま起きている変化

建設業界は、長年、現場で働く技能労働者の高齢化と人手不足という課題を抱えています。

測量用のドローンとヘルメットが置かれ、デジタル化を象徴する様子

若手の入職を増やすため、週休2日制の徹底や、給与水準の見直しが進められています。あわせて、ドローンによる測量やICT建機の活用など、現場の生産性を高めるためのデジタル化投資も広がっています。資材価格や人件費の上昇を工事価格にどう反映させるかも大きなテーマで、発注者との価格転嫁の交渉力も問われるようになっています。都市部では老朽化したビルの建て替えや大規模な再開発プロジェクトが各地で進んでいて、脱炭素への対応や災害に強いまちづくりへの貢献も、ゼネコンに求められる役割として重みを増しています。

この業界の主な職種

現場を仕切る中心的な仕事が、施工管理です。

ゼネコンの主な職種
現場を仕切る施工管理を中心に、複数の専門職が1つの建物に向き合います。

工程、品質、コスト、安全のすべてに目を配りながら、数多くの協力会社をまとめ、決められた工期の中で工事を完成させます。このほか、建物の構造や意匠を検討する設計、工事にかかる費用を積算する積算、新しい工法や材料を研究する技術研究など、現場を支える専門職も数多くあります。発注者との窓口となり工事を受注する段階から関わる営業も、施工管理と二人三脚で、工事の採算と発注者の要望をすり合わせていきます。

売上ランキング

売上高ランキング

指標: 売上高 ・ 基準: 東証33業種「建設業」の上場企業のうち、総合建設業(ゼネコン)に絞った直近通期(2026年3月期)の連結売上高。住宅メーカー(積水ハウス・大和ハウス工業等)は対象外。調査時点(2026-09-28)で上場している企業が対象。 ・ 調査日 2026-09-28

順位社名金額決算期注記・出典
1鹿島建設
3兆672億円
2026年3月期出典
2大林組
2兆5,862億円
2026年3月期出典
3大成建設
2兆890億円
2026年3月期出典
4清水建設
2兆578億円
2026年3月期出典
5長谷工コーポレーション
1兆2,731億円
2026年3月期出典
6インフロニア・ホールディングス
1兆1,248億円
2026年3月期IFRS「売上高」。旧・前田建設工業を中核とする持株会社 / 出典
7五洋建設
7,943億円
2026年3月期出典
8戸田建設
6,457億円
2026年3月期出典
9熊谷組
4,876億円
2026年3月期指標は完成工事高(建設業界で使われる売上高相当の指標) / 出典
10安藤ハザマ
4,396億円
2026年3月期出典

ハウスメーカー(住宅メーカー)は東証33業種では同じ建設業に分類されますが、この記事は総合建設業(ゼネコン)を主題とするため対象から除いています。スーパーゼネコンと呼ばれる5社のうち、竹中工務店は非上場のため決算短信・有価証券報告書による開示がなく、数値の裏付けが取れないためこのランキングには載せていません。熊谷組は完成工事高を売上高に相当する指標として使っています。

各社の決算資料を基に編集部が作成。決算期が異なる企業を含みます。

就活対策

この業界で求められる力

建設現場の仕事は、想定外の連続です。天候が崩れる、資材が届かない、協力会社の人手が足りない。そうした状況の中で、工期と品質を守るために何を優先すべきかを、その場で判断する力が求められます。

ゼネコンの選考で意識したい力
  • その場で判断する力想定外の事態に対し、優先順位を決める。
  • 敬意を持って人を動かす力経験豊富な職人の専門性を頼りにする。
  • 図面や数字を読む力工程や費用を正確に把握する。
  • 集団で役割を果たす経験立場の違う人たちと1つの目標に向かう。
想定外への判断力と、現場の人たちへの敬意が問われます。

マニュアル通りにいかない場面でこそ、経験と知識を総動員して答えを出す姿勢が問われます。現場には年齢も専門分野も異なる多くの協力会社の人たちが関わっていて、自分より経験豊富な職人に指示を出す場面もあります。知識で対抗するのではなく、敬意を持って相手の専門性を頼りながら、現場全体をまとめていくコミュニケーション力が欠かせません。

選考で見られやすいポイント

選考では、建物やインフラという形に残るものへの関心を、自分の言葉で語れるかが見られます。身近な建築物や工事現場を見て、どんな工夫がされているかを考えたことがあるかどうかは、話の端々から伝わるものです。

もう1つは、集団の中で役割を果たしてきた経験です。部活動やアルバイトのリーダー経験、あるいは意見の違う人たちをまとめた経験があれば、それは現場でのマネジメント力の土台として評価されやすくなります。工事現場に足を運んだ経験や、施工管理という仕事を具体的に調べた経験があるかどうかも、志望度の高さとして伝わります。建設業界は、体育会系の部活動出身者が多いとも言われますが、運動部の経験がなくても、集団で1つの目標に向かって動いた経験があれば、同じように語れる材料になります。

業界研究で押さえたい問い

  • 志望する会社は、どんな種類の工事(オフィス、インフラ、マンション等)を得意としているか

  • スーパーゼネコンと準大手・中堅ゼネコンで、手がける工事の規模や進め方はどう違うか

  • 施工管理という仕事に、自分はどんなやりがいと難しさを感じそうか

  • 人手不足やデジタル化への対応に、志望する会社はどう取り組んでいるか

  • 建てて終わりではなく、その先のまちづくりにどう関わろうとしている会社か

体験を ES・面接で語るには

職業体験で、複数の関係者の意見や利害が食い違う場面を経験していたら、それはそのまま良い材料になります。誰の意見を、どんな理由で優先したのか、その判断の過程を具体的に振り返っておくと、現場をまとめる仕事の疑似体験として語れます。

想定外の事態に対応した経験があれば、何を最初に確認し、どんな順番で対処したかを話せると、施工管理の仕事に必要な判断力が伝わります。うまくいかなかった判断があっても、そこから何を学び、次にどう活かそうとしたかまで話せると、かえって印象に残ります。現場は一人ではなく、多くの人の力を借りて成り立つ仕事です。自分一人の成果としてではなく、周りの人をどう巻き込み、どう動いてもらったかという視点でエピソードを語れると、この業界が求める協働の姿勢を伝えられます。

出典・この記事について

  1. 鹿島建設 IR情報(決算短信)
  2. 大林組 IR資料
  3. 大成建設 IR情報(決算短信)
  4. 清水建設 IRライブラリー
  5. 長谷工コーポレーション IRライブラリ
  6. インフロニア・ホールディングス IRニュースライブラリー
  7. 五洋建設 有価証券報告書(2026年3月期)
  8. 戸田建設 決算短信・概況
  9. 熊谷組 決算短信
  10. 安藤ハザマ 決算短信

本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。

内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、info@hal-corporation.com までお知らせください。

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駅前の未来を描く — 3,000㎡再開発プロジェクト

総合デベロッパーの開発企画担当になって、地方都市の駅前3,000㎡の再開発を企画。現地調査、用途ミックスの事業収支シミュレーション、そして3代続く靴店の店主との合意形成まで、まちづくりの仕事を追体験します。事業性データを読み解くケース資料室つき。