業界研究

不動産業界(デベロッパー)とは? ビジネスモデル・仕事内容・売上高ランキング

不動産業界(デベロッパー)は、土地の取得から建設、運営まで長く関わる業界です。稼ぎ方の仕組み、主なプレーヤー、いま起きている変化、主な職種を、不動産業の売上高ランキングとあわせて解説します。

公開日 / 最終更新日

運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

デベロッパーが建物の模型を前に地権者と話している様子

業界の解説

不動産業界(デベロッパー)とは

駅前の再開発ビルも、住み慣れたマンションも、郊外のショッピングモールも、多くは不動産デベロッパーと呼ばれる会社が、土地の取得から企画、建設、その後の運営まで手がけています。ビルは建てて終わりではなく、何十年も使われ続けるものなので、デベロッパーの仕事は建物が完成した後もずっと続きます。

デベロッパーが住民の自宅で再開発計画を説明している様子

この業界には、大きく2つのタイプの会社があります。1つは、マンションや戸建てを企画して販売する分譲を中心とする会社。もう1つは、オフィスビルや商業施設を建てて長く保有し、賃貸で収益を得る会社です。オフィス、商業施設、ホテル、住宅を組み合わせて1つのエリア全体を作り変える再開発になると、関わる地権者や行政の数も一気に増え、計画から竣工までに長い年月がかかることもあります。

どうやって稼いでいるか(ビジネスモデル)

分譲事業と賃貸事業では、収益の得方もサイクルの長さもまったく違います。

分譲事業と賃貸事業の違い
分譲事業賃貸事業
収益の得方住戸の販売代金テナントからの賃料
サイクルの長さ数年で1案件が完結長期間にわたり保有
事業の中心次々と新しい案件を仕込む建物を良い状態に保ち続ける
同じデベロッパーでも、収益の得方とサイクルの長さがまったく違います。

分譲事業は、土地を仕入れ、マンションや戸建てを企画・建設し、完成した住戸を販売することで利益を得ます。次々と新しい案件を仕込み続ける機動力が問われる仕事です。賃貸事業は、竣工してからが本当のスタートで、清掃や警備、設備の修繕、テナントの入れ替えなど、建物を良い状態に保ち続ける運営の仕事が収益を左右します。どちらのビジネスモデルでも、土地の情報をいち早くつかみ、その土地に何を建てればまちや利用者にとって価値があるかを見極める企画力が、事業の出発点になります。

主なプレーヤーと業界の構造

不動産デベロッパーには、いくつもの違う出自の会社があります。

デベロッパーの出自による違い

中心:不動産デベロッパー

関係するもの

  • 大手総合系:オフィス・住宅・商業を幅広く展開
  • 鉄道系:沿線の土地開発から発展
  • 急成長分譲系:仕入れから販売まで一貫して手がける
  • 他業界からの参入:商社などの資金力を生かす
同じ不動産デベロッパーでも、成り立ちによって得意な開発の種類が変わります。

社名に建設や建託とついていても、実態は土地オーナー向けの賃貸住宅を企画し、その後の入居者管理まで手がける、不動産業に近い会社もあります。同じように見える会社名でも、実際の事業の中身までよく見ておくと、業界研究の解像度が上がります。どんな出自の会社かによって、得意とする開発の種類や、力を入れているエリアも変わってきます。

いま起きている変化

働き方の変化を受けて、オフィスに求められる役割が変わってきています。

屋上緑化と太陽光パネルを備えたビルの模型が置かれている様子

単に机を並べる場所ではなく、社員が集まって議論したり、企業文化を伝えたりする場としての価値が見直され、立地や設備にこだわったオフィスビルの再開発が各地で進んでいます。訪日外国人の増加を背景に、都心や観光地では商業施設やホテルの開発にも力が入れられています。すでに建っているビルをどう長く使い続けるかという課題もあり、設備を更新し、テナント構成を見直すことで新築同様の競争力を保とうとする動きも広がっています。環境性能への関心も高まっていて、省エネルギー性能の高いビルや脱炭素に配慮した建材を使った開発が増えています。

この業界の主な職種

事業の起点となるのが、不動産開発の仕事です。

不動産デベロッパーの主な職種
開発から運営まで、建物の一生に寄り添うさまざまな職種があります。

地権者への訪問や行政協議、設計・建設会社との調整、テナント誘致、社内の投資判断まで、長い時間をかけて1つのプロジェクトに関わります。建物が完成した後は、プロパティマネジメントと呼ばれる、日々の運営を担う仕事があり、テナントとの関係を維持し、清掃や設備の管理を通じて建物の価値を保ちます。さらに長期的な視点で、保有する不動産全体の収益性を高めていくアセットマネジメントという仕事もあります。

売上ランキング

売上高ランキング

指標: 売上高 ・ 基準: 東証33業種「不動産業」に属する上場企業の、直近通期の連結売上高(営業収益)。調査時点(2026-09-28)で上場している企業が対象。 ・ 調査日 2026-09-28

順位社名金額決算期注記・出典
1三井不動産
2兆7,097億円
2026年3月期出典
2大東建託
1兆9,847億円
2026年3月期社名は建設だが東証33業種では不動産業に分類 / 出典
3三菱地所
1兆7,461億円
2026年3月期出典
4飯田グループホールディングス
1兆5,088億円
2026年3月期出典
5オープンハウスグループ
1兆3,364億円
2025年9月期出典
6東急不動産ホールディングス
1兆2,460億円
2026年3月期出典
7住友不動産
1兆577億円
2026年3月期出典
8野村不動産ホールディングス
9,425億円
2026年3月期出典
9ヒューリック
7,274億円
2025年12月期出典
10東京建物
4,745億円
2025年12月期出典

決算期が会社によって異なります(3月期・9月期・12月期)。大東建託は社名に建託とありますが、東証33業種の分類では建設業ではなく不動産業に区分されています(賃貸管理・不動産開発が主力事業のため)。ゼネコン(総合建設業)は別記事『建設業界とは』で取り上げています。

各社の決算資料を基に編集部が作成。決算期が異なる企業を含みます。

就活対策

この業界で求められる力

不動産開発の仕事は、成果が出るまでに何年もかかります。地権者との交渉が何年も続いたり、竣工までに社会情勢が変わったりすることも珍しくありません。

不動産開発の選考で意識したい力
  • 長期的な粘り強さ何年もかかる交渉や事業に向き合う。
  • 数字で語る力事業の採算を数字で説明できる。
  • 調整力立場の違う相手と信頼関係を築く。
  • まちへの当事者意識このまちをこうしたいという思いを持つ。
長期的な粘り強さと、立場の違う相手との調整力が問われます。

目先の結果がすぐに出なくても粘り強く取り組める力と、事業の採算を数字で語れる力の両方が求められます。同時に、この仕事は人に会う仕事でもあります。地権者、行政、設計・建設会社、テナントなど、立場も利害も違う相手と、何年もかけて信頼関係を築いていきます。このまちをこうしたいという自分なりの思いを持てるかどうかも、この業界で働くうえで大切な資質です。

選考で見られやすいポイント

選考では、なぜマンションやビルではなくまちに関心があるのかを、自分の言葉で説明できるかが見られます。好きな街や気になる再開発について、単なる感想ではなく、なぜそのまちづくりに魅力を感じるのかを、自分なりの視点で語れると印象に残ります。

もう1つは、長期的な物事への向き合い方です。ゼミや部活動、アルバイトの中で、すぐに結果が出ない取り組みにどう向き合ってきたかを、具体的なエピソードとともに話せる状態にしておくとよいでしょう。加えて、分譲を中心とする会社と、賃貸を中心とする会社では働き方が大きく異なるため、自分がどちらの仕事に向いていそうかを考えておくことも大切です。

面接では、志望する会社が過去に手がけた開発事例について、なぜその立地に、なぜその用途の建物を建てたのかを、自分なりに考えてみたかどうかも問われやすいところです。単に有名なビルを知っているだけでなく、その裏にある企画の意図まで想像できると、他の学生との違いが際立ちます。

業界研究で押さえたい問い

  • 志望する会社は、分譲事業と賃貸事業、どちらに重きを置いているか

  • 開発したい対象は、オフィス、住宅、商業施設のうちどれに関心があるか

  • 竣工後の運営(プロパティマネジメント)にどれくらい力を入れている会社か

  • 次々と新しい案件に関わる仕事と、1つの建物と長く付き合う仕事、自分はどちらに惹かれるか

体験を ES・面接で語るには

職業体験で、地権者や住民との交渉が難航する場面を経験していたら、そこでの試行錯誤はそのまま良い材料になります。最初にどう伝えて、相手の反応を見てどう伝え方を変えたか、という工夫の過程を具体的に振り返っておくとよいでしょう。

数字と人の感情、両方が絡む判断を経験していたら、それぞれをどう両立させようとしたかを語れると、不動産開発の仕事の本質を理解していることが伝わります。長期的な視点を問われる場面があったなら、目先の数字だけでなく、先々どうなっているかを考えて判断したエピソードを用意しておくと、この業界が求める時間軸の感覚を伝えられます。複数の立場の人と関わった経験があれば、それぞれの立場からどう見えていたかを整理して話すのも効果的です。

出典・この記事について

  1. 三井不動産 IR資料室
  2. 大東建託 IR情報
  3. 三菱地所 IR情報
  4. 飯田グループホールディングス 有価証券報告書(2026年3月期)
  5. オープンハウスグループ IRライブラリ
  6. 東急不動産ホールディングス IRライブラリー
  7. 住友不動産 IR情報
  8. 野村不動産ホールディングス IRライブラリー
  9. ヒューリック IRライブラリ
  10. 東京建物 決算関連情報

本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。

内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、info@hal-corporation.com までお知らせください。

この業界のワークを体験する

このビルと、30年。 — 用地から運営まで、1棟の一生を預かる

地方政令市で「建てて、持ち続ける」ビル会社の新人になって、用地取得・企画開発・リーシング・運営管理の全工程を1人で通します。選択に連動して動く収支パネルでNOI利回りを追いかけ、10年後の試練で、長く持つことの難しさと面白さを体験します。

駅前の未来を描く — 3,000㎡再開発プロジェクト

総合デベロッパーの開発企画担当になって、地方都市の駅前3,000㎡の再開発を企画。現地調査、用途ミックスの事業収支シミュレーション、そして3代続く靴店の店主との合意形成まで、まちづくりの仕事を追体験します。事業性データを読み解くケース資料室つき。