インターンシップとは? 4つのタイプ(三省合意)とオープン・カンパニーの違いをわかりやすく
インターンシップとは、職場での就業体験を通じて自分がその仕事で通用するかを見極める活動です。三省合意による定義と4つのタイプ、オープン・カンパニーとの違い、学生情報が採用に使われる条件、学年や目的に合わせた選び方を一次資料をもとに解説します。
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運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

解説
インターンシップとは、学生が企業などの職場で実際の仕事を体験し、自分がその仕事で通用するかどうかを見極めるための就業体験です。2022年6月に改正された文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意(三省合意)では、学生のキャリア形成を支援する取り組みが4つのタイプに分けられ、職場での就業体験を伴うタイプ3とタイプ4だけが「インターンシップ」と呼ばれます。会社説明会や1日の職場見学のような、企業や業界を知るためのプログラムは、タイプ1の「オープン・カンパニー」にあたります。

インターンシップとは? 三省合意による定義
三省合意(正式名称は「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」)は、インターンシップを「学生がその仕事に就く能力が自らに備わっているかどうか(自らがその仕事で通用するかどうか)を見極めることを目的に、自らの専攻を含む関心分野や将来のキャリアに関連した就業体験(企業の実務を経験すること)を行う活動」と定義しています。
簡単に言えば、インターンシップは「職場で実際に仕事をしてみて、自分に合うか・できるかを確かめる場」です。説明を聞くだけのプログラムは、この定義ではインターンシップに含まれません。
この考え方は、経団連と大学関係者でつくる「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が2022年4月に公表した報告書をもとにしています。改正後の扱いは、2025年3月に卒業・修了する学生(学部生なら2023年度に3年生になった学生)が、2023年度に参加するプログラムから適用されています。
ただし、就職情報サイトや学生どうしの会話では、1日の仕事体験や説明会も含めて「インターン」とまとめて呼ばれることがよくあります。この記事では、制度上の意味で使うときは「インターンシップ」、世間で広く使われる意味では「インターン」と書き分けます。
インターンシップの4つのタイプ
三省合意では、学生のキャリア形成を支援する取り組みを次の4つに分けています。
タイプ1:オープン・カンパニー
タイプ2:キャリア教育
タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
タイプ4:高度専門型インターンシップ(試行)
タイプ1・2は就業体験を必須とせず、「個社・業界の情報提供」や「教育」を目的とするもので、インターンシップとは称しません。タイプ3・4は就業体験が必須で、学生にとっては「自分の能力の見極め」、企業にとっては「評価材料の取得」を目的とするものです。
| タイプ1 オープン・カンパニー | タイプ2 キャリア教育 | タイプ3 インターンシップ | タイプ4 高度専門型 | |
|---|---|---|---|---|
| 主な目的 | 企業・業界・仕事を知る | 教育(大学の授業・産学協働プログラム・企業のCSRなど) | その仕事で通用するかを見極める | 専門性を実践で活かし高める |
| 就業体験 | 基本的に伴わない | 任意 | 必須 | 必須 |
| 期間・対象 | 単日が中心・学年不問 | 学年不問 | 5日間以上・主に学部3〜4年と修士 | 大学院生向け(試行) |
| 学生情報の採用活動での利用 | できない | できない | 要件を満たせば開始時期以降に可 | 試行段階。タイプ3と同じく開始時期以降に可 |
タイプ1:オープン・カンパニーとは
オープン・カンパニーとは、企業や業界、仕事の内容を学生に知ってもらうための説明会・イベント型のプログラムです。産学協議会の報告書では、主に企業・就職情報会社や大学のキャリアセンターが主催するイベント・説明会を想定し、基本的に就業体験を伴わないため、大人数を対象に単日で行うものとしています。学年を問わず参加でき、オンラインでの動画配信なども想定されています。産学協議会の整理では、企業はここで得た学生の情報を採用活動に使うことはできません。
タイプ2:キャリア教育とは
キャリア教育とは、「教育」を目的とするプログラムです。大学が単独または企業と協働して行う授業や産学協働のプログラム、企業がCSRの一環として行うものが想定されています。学年を問わず参加でき、就業体験を行うかどうかは任意です。産学協議会の整理では、タイプ1と同じく、企業は得た学生情報を採用活動に使えません。
タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップとは
タイプ3は、制度上の「インターンシップ」の中心となるプログラムです。学生の適性や汎用的な能力を重視する「汎用的能力活用型」と、専門性を重視する「専門活用型」の2種類があります。三省合意では、次の5つの要件を満たすことが求められています。
- 就業体験必ず就業体験を行い、期間の半分を超える日数を職場での就業体験にあてる
- 指導職場の社員が学生を指導し、終了後にフィードバックを行う
- 期間汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上
- 時期学業との両立のため、学部3・4年や修士の長期休暇中に行う
- 情報開示目的・内容・学生情報を採用活動に使う旨などを募集要項で公表する
期間は、汎用的能力活用型が5日間以上、専門活用型が2週間以上です。対象は学部3・4年生と修士1・2年生が中心で、実施は夏休み・冬休み・春休みなどの長期休暇中に限られます(大学の正課や博士課程で行う場合を除く)。要件を満たすプログラムは、募集要項などで「産学協議会基準に準拠したインターンシップ」であることを示せます。
タイプ4:高度専門型インターンシップとは
タイプ4は、高い専門性を持つ大学院生向けのインターンシップで、現在は試行の段階です。博士課程の学生を対象にした「ジョブ型研究インターンシップ」が2021年度から先行して行われています。修士課程向けの詳細は、今後検討されることになっています。産学協議会の整理では、タイプ4もタイプ3と同じく、企業は得た学生情報を採用活動の開始以降に限って活用できるとされています(ジョブ型研究インターンシップは文部科学省の実施要領によります)。
オープン・カンパニーとインターンシップの違い
オープン・カンパニー(タイプ1)とインターンシップ(タイプ3)の違いは、「就業体験があるか」「期間」「参加したときの情報が採用に使われるか」の3点です。
就業体験:オープン・カンパニーは基本的に伴わない。インターンシップは必須で、期間の半分を超える日数を職場での就業体験にあてる
期間:オープン・カンパニーは単日が中心。インターンシップは5日間以上(専門活用型は2週間以上)
学生情報の扱い:産学協議会の整理では、オープン・カンパニーで得た情報は採用活動に使えない。インターンシップは要件を満たせば、決められた時期以降に使える
募集ページの名前だけでは、どのタイプか判断しにくいことがあります。「インターン」と書かれていても、中身は1日の説明会、ということは珍しくありません。応募する前に「何日間か」「職場で働く体験があるか」「学生情報を採用活動に使う旨が書かれているか」を確かめると、タイプを見分けやすくなります。1日で終わるプログラムの価値については、1dayインターンは意味ない?で詳しく解説しています。
「インターン=採用直結」は本当? 学生情報の扱い
三省合意では、インターンシップを始めとするキャリア形成支援の取り組みは、就職・採用活動そのものではないとされています。産学協議会の整理でも、タイプ1〜4はどれも採用活動ではなく、学生は採用選考のために改めてエントリーする必要があるとされています。
そのうえで、三省合意(別紙2)では、要件を満たすタイプ3のインターンシップに限り、企業は取得した学生情報を、広報活動の開始(卒業・修了前年度の3月)以降は広報活動に、採用選考活動の開始(卒業・修了年度の6月)以降は採用選考活動に使えるようになりました。活用例として、広報活動の開始後に企業説明会の案内を送ることや、採用選考活動の開始後に選考プロセスの一部を免除することが挙げられています。試行段階のタイプ4も、産学協議会の整理ではタイプ3と同じく採用活動の開始以降に限って活用できます。タイプ1・2で得た学生情報は、産学協議会の整理では採用活動に使えません。
- 前年度の2月末まで 採用活動には使えない:インターンシップに参加する時期
- 前年度の3月から 広報活動に使える:企業説明会の案内を送るなど
- 卒業年度の6月から 採用選考活動に使える:選考プロセスの一部免除など
一方で、実際の就職活動では、インターンシップ等と採用選考の結びつきが強まっています。インディードリクルートパートナーズ リサーチセンターの「就職白書2026」によると、入社予定の企業のインターンシップ等に参加していた2026年卒の学生のうち、「プログラム募集時に、内定の可能性が明示されていた(採用直結)」と答えた割合は30.5%でした。ただ、同じ白書で企業に聞くと、2026年卒向けのプログラムを実施した企業の、内定者に占める自社のインターンシップ等参加者の割合(平均)は36.3%でした。裏を返せば、内定者の6割強はその企業のプログラムに参加していない人です。
参加後に早期選考の案内が届くこともあります。案内が来る割合や、呼ばれなかったときの動き方は、インターンの早期選考とは?にまとめています。
学生はどのタイプを選べばいい?
キャリタスが2027年卒の学生モニターに行った調査では、学生が参加したプログラムの類型は、タイプ1(オープン・カンパニー)が56.7%と半数を超え、タイプ2(キャリア教育)が15.0%、タイプ3の汎用的能力活用型が16.7%、専門活用型が3.6%でした。学生が参加したプログラムの半数以上はオープン・カンパニーです。参加率や平均参加社数などのデータは、データで見るインターンシップにまとめています。
同じ調査では、仕事内容を「十分理解できた」割合は、タイプ1の51.4%に対し、タイプ3の汎用的能力活用型では76.4%でした。「大変満足」の割合も、タイプ1の39.7%に対し、タイプ3の汎用的能力活用型では65.8%です。期間が長く就業体験のあるプログラムほど、仕事への理解は深まりやすい傾向があります。
どちらが上というより、目的に合わせて組み合わせるのがおすすめです。
- 広く知る:オープン・カンパニーやキャリア教育でいろいろな業界に触れる
- 絞り込む:興味のある業界・仕事のプログラムに応募する
- 確かめる:タイプ3のインターンシップで自分に合うかを見極める
業界や仕事を広く知りたい段階では、学年を問わず参加できるオープン・カンパニーやキャリア教育で、いろいろな業界に触れる
興味のある業界・仕事が見えてきたら、選考のあるプログラムや、数日かけて取り組むプログラムに応募する
志望が固まった企業では、就業体験のあるタイプ3のインターンシップで、自分に合うかを確かめる
選考のないプログラムの活かし方はインターンの選考なしは意味ない?で、探し方の全体像はインターンの探し方で紹介しています。
バーチャルインターンは4つのタイプのどこに入る?
オンラインで仕事を体験できるプログラムの中には、「バーチャルインターン」と呼ばれるものがあります。バーチャルインターンとは、実際の仕事をもとに設計されたワークに、学生がブラウザで取り組むオンラインの仕事体験です。
三省合意の4つのタイプに当てはめると、PREJOINのバーチャルインターンのワークは、企業や仕事を知るためのタイプ1、教育を目的とするタイプ2に相当します。職場で社員の指導を受けながら働くタイプ3のインターンシップではありません。そのため、参加しただけで採用選考につながるものではない、という点は正しく理解しておいてください。
そのかわり、日程を合わせる必要がなく、学年を問わず取り組める形式です。タイプ3のインターンシップに応募する前に、業界や仕事の向き・不向きを確かめる入口として使えます。詳しくはバーチャルインターンとはをご覧ください。どんなワークがあるかは、ワーク一覧から見られます。
よくある質問
「インターン」と「インターンシップ」は違うものですか?
言葉としては同じ意味で使われることが多いですが、制度上「インターンシップ」と呼べるのは、三省合意のタイプ3とタイプ4だけです。就職情報サイトなどでは、1日の仕事体験やオープン・カンパニーも含めて「インターン」と呼ばれることがあるため、中身の日数や就業体験の有無で見分けるのが確実です。
1dayインターンは、4つのタイプのどれにあたりますか?
1日で終わる説明会や仕事体験の多くは、タイプ1のオープン・カンパニーにあたります。タイプ3のインターンシップは、汎用的能力活用型でも5日間以上の期間が必要なので、1日のプログラムはタイプ3には含まれません。
オープン・カンパニーに参加すると、本選考で有利になりますか?
産学協議会の整理では、オープン・カンパニーで企業が得た学生情報は採用活動に使えないとされています。ただ、参加後に企業からセミナーや早期選考の案内が届くことはあります。参加の有無だけで評価が決まるわけではないので、参加して分かったことを志望動機で語れるようにしておくことが大切です。
タイプ3のインターンシップに参加しないと、内定はもらえませんか?
そんなことはありません。「就職白書2026」では、2026年卒向けのプログラムを実施した企業の、内定者に占める自社のインターンシップ等参加者の割合(平均)は36.3%で、6割強は参加していない人でした。タイプ3に参加できなくても、本選考には改めてエントリーできます。
大学1・2年生が参加できるのはどのタイプですか?
タイプ1のオープン・カンパニーとタイプ2のキャリア教育は、学年を問わず参加できます。タイプ3のインターンシップは、主に学部3・4年生と修士1・2年生の長期休暇中に行われるものです。1・2年生のうちは、タイプ1・2でいろいろな業界や仕事に触れておくと、3年生で応募先を選びやすくなります。
出典・この記事について
- 文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(令和4年6月13日一部改正)(インターンシップの定義・4類型・タイプ3の要件・学生情報の取扱い(別紙2))
- 文部科学省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」(改正のポイント・適用開始の学年)
- 採用と大学教育の未来に関する産学協議会「2021年度報告書 産学協働による自律的なキャリア形成の推進」2022年4月(タイプ1〜4の内容(三省合意の別紙1の出典))
- キャリタス「2027年卒 インターンシップ等に関する特別調査」2026年4月(参加プログラムの類型・類型別の理解度と満足度)
- インディードリクルートパートナーズ リサーチセンター「就職白書2026」2026年2月(インターンシップ等と採用選考の関係・内定者に占める参加者の割合)
本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。
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