業界研究

銀行・金融業界とは? ビジネスモデル・仕事内容・経常収益ランキング

銀行・金融業界は、預金と融資を基本に手数料ビジネスへも軸足を広げる業界です。稼ぎ方の仕組み、主なプレーヤー、いま起きている変化、主な職種を、上場銀行グループの経常収益ランキングとあわせて解説します。

公開日 / 最終更新日

運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

銀行の担当者が中小企業の経営者と融資について話し合っている様子

業界の解説

銀行・金融業界とは

銀行は、家計や企業からお金を預かり、それを必要としている企業や個人に貸し出す仕事です。預金と融資という一見シンプルな仕組みの上に、為替、資産運用、決済など、お金にまつわるほぼすべてのサービスが乗っています。この記事では、証券会社や保険会社ではなく、預金取扱金融機関としての銀行を中心に扱います。

銀行の窓口で担当者が顧客に案内している様子

日本の銀行業界には、全国に拠点を持つメガバンク、資産管理や不動産信託に強い信託銀行、特定の地域に根ざした地方銀行、郵便局網を持つゆうちょ銀行など、いくつかの顔があります。銀行が扱うお金の規模は他業界とは桁が違い、1つの企業への融資額が数十億円、数百億円にのぼることも珍しくありません。その先には、実際に事業を営む経営者や、家を買おうとしている個人の生活があります。

どうやって稼いでいるか(ビジネスモデル)

銀行の収益は、いくつかの柱を組み合わせて成り立っています。

銀行の収益源

中心:銀行の収益

関係するもの

  • 資金利益:貸出金利と預金金利の差
  • 為替送金手数料
  • 投資信託販売:個人の資産形成を支援
  • シンジケートローン組成:複数行で融資をまとめる対価
貸し借りの金利差に加えて、複数の手数料収入を組み合わせて収益を得ています。

長らく低金利が続いた時期は資金利益がなかなか伸びず、各行は手数料収入の比率を高めることに力を入れてきました。法人向けの仕事で言えば、取引先の決算書を読み込み、資金繰りや事業承継、海外展開といった経営課題を聞き取ったうえで、融資や本部の専門部署が持つ解決策を組み合わせて提案します。どちらも、お金の話の手前にある「相手が本当に困っていること」を聞き出せるかどうかが、仕事の質を左右します。

主なプレーヤーと業界の構造

銀行業界には、いくつかの違うタイプの会社があります。

銀行のタイプによる違い
メガバンク信託銀行地方銀行
主な取引先国内外の大企業資産管理・不動産信託地元の企業や住民
拠点の広がり国内外に幅広く展開大都市中心都道府県単位で集中
特徴幅広い機能を自前で持つ資産管理に強み地域経済を下支え
同じ銀行でも、取引先や拠点の広がり方は会社のタイプによって異なります。

なお、証券会社は株式や債券の売買を仲介する「直接金融」の担い手で、保険会社は将来のリスクに備える保障商品を提供する会社です。銀行とはビジネスモデルが異なります。地方には、都道府県単位で営業基盤を持つ地方銀行グループが数多くあり、地元企業への融資や事業承継の支援を通じて地域経済を下支えしています。人口減少が進む地域では、複数の地方銀行が経営統合し、持株会社の傘下でシステムや事務を共通化する動きも広がっています。

いま起きている変化

長く続いた低金利の環境から、金利のある世界への転換が進んでいます。

スマートフォンと硬貨、上向きの線が並ぶデジタル金融を象徴する様子

貸出金利と預金金利の差が広がりやすくなり、銀行の収益構造にも影響を与えています。一方で、金利がある世界は借り手にとっても資金調達コストが上がることを意味するため、融資先企業の経営状況を見極める目利き力が、これまで以上に問われるようになっています。デジタル化も進んでいて、振込や残高照会はスマートフォンアプリで完結するようになり、店舗の役割は、単なる窓口業務から、住宅ローンや資産運用といった専門性の高い相談の場へと変わりつつあります。地方では、人口減少と後継者不足を背景に、地方銀行同士の経営統合が続いています。

この業界の主な職種

法人向けの中心的な仕事が、法人営業(リレーションシップマネージャー)です。

銀行の主な職種
法人と個人、それぞれに向き合う専門職が銀行の仕事を支えています。

担当する企業を訪問し、決算書や経営者との対話から経営課題をつかみ、融資や本部の専門部署と連携しながら解決策を提案する、時間軸の長い仕事です。貿易にかかわる企業を支えるのが外国為替・貿易金融の専門職で、輸出入の決済書類を点検し、為替変動のリスクをヘッジする提案をするなど、正確さと専門知識が求められます。このほか、個人向けの資産運用相談を担うリテール渉外、融資の審査を行う審査部門、市場での資金運用を担う市場部門など、銀行の中には性質の異なる職種が数多くあります。

売上ランキング

経常収益ランキング

指標: 経常収益 ・ 基準: 銀行持株会社・銀行グループ(メガバンク、大手信託、りそな、ゆうちょ銀行等の上場銀行グループ)の直近通期(2026年3月期)の連結経常収益。証券会社・保険会社は含めない。調査時点(2026-09-28)で東証に上場している企業が対象。 ・ 調査日 2026-09-28

順位社名金額決算期注記・出典
1三菱UFJフィナンシャル・グループ
14兆6,208億円
2026年3月期出典
2三井住友フィナンシャルグループ
10兆7,908億円
2026年3月期出典
3みずほフィナンシャルグループ
9兆854億円
2026年3月期出典
4三井住友トラスト・グループ
2兆9,835億円
2026年3月期出典
5ゆうちょ銀行
2兆8,522億円
2026年3月期出典
6りそなホールディングス
1兆3,572億円
2026年3月期出典
7SBI新生銀行
7,740億円
2026年3月期出典
8ふくおかフィナンシャルグループ
6,211億円
2026年3月期出典
9横浜フィナンシャルグループ
4,907億円
2026年3月期2025年10月に「コンコルディア・フィナンシャルグループ」から商号変更 / 出典
10千葉銀行
4,450億円
2026年3月期出典

決算期はいずれも2025年4月〜2026年3月(2026年3月期)で揃えています。経常収益(資金運用収益・役務取引等収益などの合計)は、銀行グループの規模を示す指標として一般的な事業会社の売上高に相当します。証券・保険を主とするグループはこのランキングに含めていません。SBI新生銀行は2025年12月に東証プライムへ再上場しています。

各社の決算資料を基に編集部が作成。決算期が異なる企業を含みます。

就活対策

この業界で求められる力

銀行の仕事は、相手の話を聞き、数字の裏にある事情を読み解く力が土台になります。決算書の数字がなぜその形になっているのかを想像し、経営者が本音でまだ言葉にしていない課題まで踏み込んで聞き出す姿勢が欠かせません。

銀行の選考で意識したい力
  • 数字の裏を読む力決算書の数字がなぜその形かを想像する。
  • 長い時間軸の粘り強さ何年もかけて相手の事業に伴走する。
  • 誠実に断る力必要なら「できない」と言い切る。
  • 地道な積み上げ日々のニュースを自分なりに解釈する習慣。
数字の裏を読む力と、長い時間軸で信頼を積み重ねる粘り強さが問われます。

融資は一度実行したら終わりではなく、何年もかけて相手の事業に伴走する仕事なので、目先の成果よりも、長い時間軸で信頼を積み重ねる粘り強さが求められます。外為や貿易金融のように、書類の正確さがそのまま信用に直結する仕事もあります。急いでいる取引先から早く処理してほしいと言われても、確認すべきことは確認し、必要なら「できない」と言い切る誠実さが必要になる場面もあります。日々のニュースで金利や企業業績の話題に触れ、なぜこの会社の業績はこう動いたのかを自分なりに考える習慣を持っておくと、面接でも自然と言葉に出てくるようになります。

選考で見られやすいポイント

銀行の選考では、経済や企業経営への関心を、自分の言葉で語れるかどうかがよく見られます。ニュースで見た金利動向や企業の動きについて、単なる感想ではなく、自分なりの解釈を添えて話せると印象に残ります。

もう1つは、地道な取り組みを続けられるかどうかです。銀行の仕事は、華やかな成果がすぐに出るものではなく、日々の信頼の積み重ねがものを言います。アルバイトやゼミ活動の中で、地道な作業や長期的な取り組みにどう向き合ってきたかを、具体的なエピソードとともに話せる状態にしておくとよいでしょう。加えて、数ある金融業態の中でなぜ銀行なのか、証券会社や保険会社ではなく銀行を選ぶ理由を、自分の言葉で説明できることも大切です。

面接官は、学生がどれだけ専門的な金融知識を持っているかよりも、初対面の相手とどう関係を築いてきたか、うまくいかない状況でどう考えて動いたかに関心を持っています。アルバイト先のお客様や後輩との関わり方を振り返ってみると、思っている以上に語れる材料が見つかるはずです。

業界研究で押さえたい問い

  • メガバンク、信託銀行、地方銀行、それぞれの強みや取引先の違いは何か

  • 法人営業とリテール営業、自分はどちらの仕事によりやりがいを感じそうか

  • 金利のある世界への転換は、各行の収益構造にどう影響しているか

  • 志望する銀行は、地域や海外展開など、どこに力を入れているか

  • 銀行と証券会社、保険会社は、同じ「金融」でも何が違うか

体験を ES・面接で語るには

職業体験で、決算書や資料から相手の課題を読み取る場面があったなら、それは良い材料になります。大事なのは、最終的な提案の中身よりも、そこに至るまでにどんな情報を手がかりにしたか、どこで立ち止まって考え直したかを言葉にしておくことです。

相手との対話の中で、最初に聞いた話と、じっくり話を聞いた後で見えてきた本当の課題が違っていた、という経験があれば、それも印象に残るエピソードになります。最初はこう考えていたが、話を聞くうちに見方が変わった、という変化を具体的に語れると、聞き手にはあなたの思考のプロセスが伝わります。

数字を扱う場面では、正しい答えにたどり着いたことよりも、何を根拠にその判断をしたかを丁寧に説明できるほうが評価されやすくなります。銀行の仕事は正解が1つではない判断の連続なので、迷いながら考えた経験も、そのまま面接で話せる材料になります。

出典・この記事について

  1. 三菱UFJフィナンシャル・グループ IR情報
  2. 三井住友フィナンシャルグループ IR情報
  3. みずほフィナンシャルグループ 決算関連情報
  4. 三井住友トラスト・グループ IR情報
  5. ゆうちょ銀行 IR情報
  6. りそなホールディングス IR情報
  7. SBI新生銀行 有価証券報告書(2026年3月期)
  8. ふくおかフィナンシャルグループ 決算短信
  9. 横浜フィナンシャルグループ 決算短信
  10. 千葉銀行 決算・IRライブラリー

本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。

内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、info@hal-corporation.com までお知らせください。

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