業界研究のやり方|3ステップで進める方法とノートの作り方、主要17業界の入口
業界研究は「広く眺める→同じ観点で比べる→仕事を体験して確かめる」の3ステップで進めると迷いません。比べる5つの観点、業界研究ノートの6項目、主要17業界・18職種の解説記事への入口をまとめました。
公開日 / 最終更新日
運営 株式会社Hal / 編集 PREJOIN 編集部 / 監修 岩本 晃典(株式会社Hal 代表取締役)

解説
業界研究は、「広く眺める」「気になる業界を比べる」「仕事を体験して確かめる」の3ステップで進めると迷いません。最初からすべての業界を調べ尽くす必要はなく、「どうやってお金を稼いでいるか」と「どんな仕事があるか」の2つを軸に、気になる3〜5業界を同じ観点で比べれば十分です。比べて興味が残った業界は、インターンシップや仕事体験で実際に手を動かして確かめます。
この記事では、3つのステップの具体的なやり方と、業界研究ノートの作り方、PREJOINのコラムで解説している主要17業界・18職種への入口をまとめました。

業界研究とは? 何のためにやるのか
業界研究とは、世の中の会社を「業界」という単位でまとめて見比べ、それぞれがどうやって稼ぎ、どんな仕事があり、これからどう変わっていくのかを知ることです。
目的は大きく3つあります。
志望する範囲を決める:知っている業界だけで就活を始めると、選択肢が狭くなりがちです
「なぜこの業界か」に答えられるようにする:エントリーシートや面接で必ず聞かれる問いの土台になります
企業研究の準備をする:業界の中での立ち位置が分かると、同じ業界の会社の違いが見えてきます
業界への興味は、就活が近づいてから固まる人が多いようです。マイナビ「2027年卒 大学生広報活動開始前の活動調査」(2026年2月)で、第一志望の業界がある27卒の学生に、その業界に興味を持った時期を聞くと、「大学3年生」が33.4%で最も多く、「高校生」の17.0%が続きました。今の時点で志望業界が決まっていなくても、遅すぎることはありません。
業界研究のやり方がわからないのはなぜ?
業界研究が進まない理由は、たいてい次の3つのどれかです。
業界の数が多すぎて、どこから手をつければよいか分からない
会社の名前は知っていても、何で稼いでいるのかが見えない(特に、会社や官公庁を相手に商売をするBtoBの会社)
調べた情報がバラバラで、業界どうしを比べられない
1つ目は「広く眺める」、2つ目と3つ目は「同じ観点で比べる」で解決できます。そして、調べるだけでは分からない「自分に合うかどうか」は、「体験して確かめる」で補います。
3ステップで進める業界研究のやり方
- 広く眺める:身近な商品の裏側から、気になる業界を選ぶ
- 同じ観点で比べる:稼ぎ方・構造・仕事・会社・変化を並べる
- 体験して確かめる:インターンや仕事体験で、合う・合わないを知る
ステップ1:広く眺めて、気になる業界を3〜5つ選ぶ
最初は細かく調べず、世の中にどんな業界があるかをざっと眺めます。マイナビの同じ調査で27卒が業界研究に使ったものを聞くと、「インターンシップ情報・就職情報サイト」が66.0%、「個別企業の採用ホームページ」が47.3%、「就職情報サイト以外のWEBサイト・オンラインサービス」が29.3%、「業界研究イベント(合同企業説明会)」が25.3%でした(複数回答)。
眺め方のコツは、身近な商品やサービスの「裏側」をたどることです。たとえばコンビニのお弁当なら、材料や容器をつくる会社、お弁当をつくる食品メーカー、店まで運ぶ物流会社、売る小売チェーンがあり、その全体をお金とシステムの面で銀行やIT企業が支えています。こうして見ると、ふだん名前を聞かないBtoBの業界にも自然と目が向きます。
- 材料・部品をつくる:素材、部品、機械・精密機器
- 製品をつくる:食品・飲料、自動車、家電などの完成品
- 運ぶ・売る:物流、商社、小売・流通
- 支える:銀行・金融、IT・通信、広告、人材
眺め終わったら、少しでも気になった業界を3〜5つ選びます。「なんとなく面白そう」で構いません。次のステップで比べるうちに、自然と絞られていきます。
ステップ2:気になる業界を、同じ観点で比べる
業界研究で一番大切なのは、業界どうしを同じ観点で比べることです。観点がそろっていないと、「A業界は安定していそう」「B業界は華やかそう」といった印象の比べ合いで終わってしまいます。
| 見るポイント | 調べ方 | |
|---|---|---|
| ビジネスモデル | 誰から何に対してお金をもらうか | 業界記事・企業の事業紹介 |
| 業界の構造 | 会社の系統、お客さまは会社か個人か | 業界地図・業界記事 |
| 主な仕事 | 入社後に担当する仕事の種類 | 職種記事・採用ページ |
| 主な会社と規模 | 代表的な会社と売上の大きさ | ランキング・決算資料 |
| これからの変化 | 技術や社会の変化で起きていること | ニュース・社員の話 |
比べる観点は、次の5つをおすすめします。
ビジネスモデル:誰から、何に対してお金をもらっているか
業界の構造:主な会社のグループ(系統)と、お客さまが会社か個人か
主な仕事(職種):入社後にどんな仕事をするのか
主な会社と規模:業界を代表する会社はどこで、どのくらいの売上があるのか
これからの変化:技術や社会の変化で、何が起きているか
PREJOINのコラムの業界記事は、17業界すべてを「どうやって稼いでいるか」「主なプレーヤーと業界の構造」「いま起きている変化」「この業界の主な職種」などのほぼ同じ見出しで書いているので、2〜3本を並べて読むだけで比較表の材料がそろいます。
あわせて、自分が何を重視するかも書き出しておきましょう。マイナビの同じ調査で27卒が業界を選ぶうえで重視しているものを聞くと、「給与・待遇」が48.8%、「休日・休暇・労働時間」が44.9%、「仕事の魅力」が39.3%、「安定性」が37.1%でした(複数回答)。人によって大事にするものは違うので、自分の軸を1〜2個決めて比較表に加えると、選ぶ理由を言葉にしやすくなります。
ステップ3:仕事を体験して確かめる
調べて分かるのは、業界の「外から見た姿」までです。その仕事が自分に合うかどうかは、実際に手を動かしてみないと分かりません。確かめる方法には次のようなものがあります。
インターンシップやオープン・カンパニーに参加する
OB・OG訪問や座談会で、働いている人に話を聞く
オンラインで、企業の仕事をもとにした課題に取り組む
体験すると、興味の向きが変わることもよくあります。キャリタス「2027年卒 インターンシップ等に関する特別調査」(2026年4月)では、参加前は「志望していなかった」プログラムのうち、参加後に「この企業に就職したい」「この業界に就職したい」に変わった割合が合わせて41.7%でした(プログラム単位の集計)。
日程が合わない、近くで開催がない、まず仕事の中身だけ知りたい、というときは、バーチャルインターンという方法もあります。企業の実際の仕事をモデルにしたワークに、オンラインで好きな時間に取り組める仕組みです。PREJOINでは選考なし・無料で取り組めるので、比べている業界の仕事を続けて試すこともできます。どんな仕事を体験できるかはワーク一覧で確認できます。
業界研究ノートの作り方
調べたことは、1業界につき1ページのノートにまとめると、あとで比べやすくなります。紙のノートでも、スプレッドシートやメモアプリでも構いません。
- ひとことで言うとその業界を一文で説明する
- お金の流れ誰から、何に対してお金をもらうか
- 主な会社代表的な会社と、その違い
- 主な仕事入社後に担当する仕事の種類
- 面白そうな点・合わなそうな点調べて、体験して感じたこと
- 次に確かめたいこと座談会やインターンで聞きたい問い
1ページに書く項目は、次の6つです。
ひとことで言うと:その業界を一文で説明する(例:人と企業をつなぐ仕事)
お金の流れ:誰から、何に対してお金をもらうか
主な会社:代表的な会社と、その違い
主な仕事:入社後に担当する仕事の種類
面白そうな点・合わなそうな点:調べて・体験して感じたこと
次に確かめたいこと:座談会やインターンで聞きたい問い
5つ目と6つ目は、体験したあとに書き足していきます。この2つがたまってくると、そのまま志望動機の材料になります。スプレッドシートなら、業界を行、項目を列にした一覧表にすると、ステップ2の比較がそのままできます。
主要17業界の入口(分野別)
PREJOINのコラムで解説している17業界を、分野ごとにまとめました。気になる分野から読んでみてください。コンサルティングと広告・マーケティングを除く15業界の記事には、主要企業の売上高などのランキング(銀行・金融は経常収益、通信は営業収益)を出典つきで載せています。コンサルティングと広告・マーケティングの記事には、主な企業の一覧を載せています。
メーカー(ものづくり)
メーカー(製造業)とは:素材・部品・完成品の関係と、BtoB・BtoCの違いから製造業全体を見渡す
自動車・自動車部品業界とは:完成車メーカーと部品メーカーの関係と、電動化による変化
機械業界とは:工場や建設現場を支える機械の稼ぎ方
精密機器業界とは:医療機器やカメラなど、高い精度を強みにする業界
食品・飲料業界とは:毎日の食事や飲み物を支える業界の構造
商社・流通・物流
金融・不動産・建設
銀行・金融業界とは:預金と融資を基本に、手数料ビジネスへ広げる稼ぎ方
不動産業界(デベロッパー)とは:土地の取得から建設・運営まで長く関わる仕事
建設業界(ゼネコン)とは:設計から施工までを請け負い、まちの形をつくる業界
IT・通信
IT・情報サービス(SIer)業界とは:企業や自治体のシステムを企画から運用まで請け負う仕組み
通信業界とは:電波と回線を整備し続けるインフラ産業
サービス・コンサルティング・広告・エンタメ
コンサルティング業界とは:外資系・総合系・国内系という3つの系統と稼ぎ方
人材業界とは:人材紹介・派遣・求人広告など、人と企業をつなぐ事業
広告・マーケティング業界とは:広告会社とネット広告会社の稼ぎ方
ゲーム・エンタメ業界とは:ゲームの作り方・稼ぎ方と、リリース後の運営の仕事
職種から業界を考える
「業界」より先に「やってみたい仕事」が思い浮かぶ人は、職種から入る方法もあります。同じ職種でも、業界が変わると扱う商品やお客さまが変わります。職種記事を読んで気になった仕事があれば、その職種が多い業界の記事もあわせて読んでみてください。
商社・流通・物流:商社営業・事業投資/店舗開発・スーパーバイザー/物流企画・3PL提案営業
サービス・コンサルティング・広告・エンタメ:戦略コンサルタント/人材コンサルタント・採用ブランディング/デジタルマーケター・広告運用/ゲームプロデューサー・プランナー
業界を問わない仕事:法人営業
業界研究と一緒に読みたい記事
インターンシップの種類や期間の違いを知りたい:インターンシップとは
他の学生がどのくらい参加しているか知りたい:データで見るインターンシップ
業界を体験できるインターンの探し方を知りたい:インターンの探し方
オンラインで業界を知る方法を知りたい:オンラインインターンは意味ない?
よくある質問
業界研究はいつから始めればいいですか?
決まった時期はありませんが、夏のインターンシップを探し始める大学3年生の春までに、ステップ1(広く眺める)を終えておくと、応募先を選びやすくなります。大学1〜2年生のうちは、身近な商品やサービスの裏側をたどるだけでも立派な業界研究です。
業界研究は何業界くらい調べればいいですか?
最初に比べるのは3〜5業界で十分です。全業界を同じ深さで調べる必要はありません。比べるうちに興味が薄れた業界は外し、体験して興味が残った業界を深く調べていくと、時間をかけすぎずに進められます。
業界研究ノートには何を書けばいいですか?
1業界1ページで、「ひとことで言うと」「お金の流れ」「主な会社」「主な仕事」「面白そうな点・合わなそうな点」「次に確かめたいこと」の6項目を書くのがおすすめです。最後の2つは、インターンシップや座談会に参加したあとに書き足していきます。
業界研究と企業研究の違いは何ですか?
業界研究は、業界どうしを比べて「どの業界に進みたいか」を考えることです。企業研究は、同じ業界の中で会社どうしを比べて「どの会社に入りたいか」を考えることです。業界研究で業界の仕組みを知っておくと、企業研究で会社の違いが見えやすくなります。
業界研究のやり方がわからないときは、まず何をすればいいですか?
普段使っている商品やサービスを1つ選び、それを作る会社・運ぶ会社・売る会社・支える会社を書き出してみてください。それだけで4つ前後の業界が見えてきます。気になったものを、この記事の業界一覧から読んでみるのが最初の一歩です。
出典・この記事について
- マイナビ「2027年卒 大学生広報活動開始前の活動調査」2026年2月(業界研究に用いたもの(p.33)、第一志望の業界に興味を持った時期・業界選びで重視するもの(p.41))
- キャリタス「2027年卒 インターンシップ等に関する特別調査」2026年4月(参加前後の就職志望度の変化(p.8))
本記事は、PREJOIN 編集部(株式会社Hal)が、各社の有価証券報告書・決算資料・公式サイトなどの公開情報と公的統計をもとに作成しています。数値は作成時点のもので、最新の情報は各出典をご確認ください。
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